NHK技術研究所一般公開

世田谷区砧にあるNHK技研に行って来た。TVの研究所にもかかわらず、家族連れなどすごい人。あとは焼きそばでも出せば、文化祭気分。で、いろいろ面白いものを見てきた。視聴料を無駄に使ってるなぁーという研究もあったけど。貴重な視聴料を無駄の無いように使って欲しいものだと思ったが、かなりいい研究所の建物なので、びっくり。こんないい研究室あるならもっとまともなことやれ!といいたくなるが箱だけなのかな。問題は中身かも。NHKファンだけに厳しいことを言いたくなる。ほとんど目新しい者は無かったが、珍しかったものをあげると

  • 次世代衛星放送

衛星からの電波の強さを可変にできる。降雨地域だけ強い電波を降らせて、降雨による受信障害を無くす。話は簡単だけど、すごいと思った技術。アンテナのことは詳しくないけど、地上ではできて当然なのかな?うーん。地上ではアンテナの向きを変えたりするけど、向きを変えるわけでもなさそうだしなぁ。

かなりきれいで本物かと思うぐらいの音声合成。86時間分26000文章の音声データをつかったらしい。NHKだけにできる技です。今までの音声合成の母音+子音で合成する方法ではなく、頻出フレーズそのものをすべてデータベース化しているのが特徴。数字、時間読み上げ、株価読み上げなどニュースには決まったフレーズがあるからできる。(多分ニュース以外の小説の読み上げやら、雑談、司会などには使え無そう)そして、文章の区切りなどはアルファベットを手で打ち込んでデータベース化したらしい。3年以上かかったらしい。一人の音声合成を作るのに、そんなにかかるの?って感じしたけど。データベースの自動作成が今後の課題。そして、音声と同時にしゃべる3DCGのキャラクターが全く音声の森田美由紀にマッチしていなかった。

愛知万博で出展予定のスーパーハイビジョン。現行1125本に対して、走査線数4000本。3分30秒の上映。モニターで映すのかな?とおもったけど、プロジェクターだった。ドット抜けとかスクリーンのつなぎ目など気になったが映画や今までの液晶に比べればきれいはきれい。15TByteで18分間しか撮れないのに驚き!!カメラのでかさに驚き!!自動車一台分の機材でやっと1時間撮れるか撮れないかという感じ。実用化には程遠いな。そしてそんだけコストをかければきれいになるわな!とも思った。

  • すかし技術

透かしを動画に入れる技術は元からあったけど、いままでのはNHKやらTBSやら放送局の透かしを入れるのが主だった。紹介されていたのはどの受信者(ユーザー)が録画したかを記録する透かし技術らしく。ユーザー再度で透かしを入れながら録画できることに意味がある。不正にコピーしてもどのユーザによって最初に録画されたかが特定できるので犯人探しができ、不正コピーの抑止になるらしい。ただ抜け道も思いつき、B-CASカードがきちんと本人の者かどうか紐付けされていることが前提。

  • エージェント

特に目新しくは無い。音声でTV操作することはほぼできているらしく、今のトレンド?は目線で画面のどこに視聴者が注目しているかを調べることらしい。視線でのカーソル移動のほか、マーケティング調査などにも使えるらしい。NHKはそんなことしちゃだめじゃん・・・。とおもったけど、研究のほとんどが一般企業との共同研究で、研究結果は広く一般に公開して使って欲しいらしい。

  • TV FOR U

ようするにどこかのメーカーでやっていたパーソナルキャスティング。目新しいものなし。

  • 新しい送出技術

インターネットを使った放送送信も展示していた。

  • 新しいメモリ技術

量子力学の理論に沿ったメモリ。磁極のNSではなく電子1つ1つのスピンの向きで記録するという最近流行らしい技術。走査顕微鏡など高そうな機械を並べて説明してるけど、はっきりいってNHKでやることではないと思われる。

  • 古いマンション用のBS/CS送信技術

新しいマンションだとBS/CSがすでに部屋まできているけど古いマンションだと個別にベランダにアンテナを立てる必要ある。それを解消する技術。ようは共同で受けた電波を高い周波数に変調して指向性をあげて屋上からベランダ伝いに再送信する。ベランダにパラボラよりも小さいアンテナを立てる。地味な技術だけど割と役に立つのかも。目新しくない。

など。